読書

アンデットガール・マーダーファルス 青崎有吾

シリーズ一作目としては、掴みは最高の作品でした。 二作の中編が収録されていますが、怪物が実在する世界での事件をロジックにより、解決するが、いかにロジックにより解決されても、ぞくっとするような真実が明かされてしまう。 それを解くべき探偵たちも…

烏丸ルヴォワール 円居挽

キングレオと、シャーロックノートシリーズを読んで、もう一度ルヴォワールシリーズを読んでみようと烏丸ルヴォワールを読んで見ました。 一作目の硬さが全然なくて物語としてはもうスラスラと読める。ロジックだけではない、騙しのための文章が二回三回出て…

家庭用事件 似鳥鶏

意外にこの人って社会派的な顔を持っているってのを改めて感じました。日常の謎テイストでほんわかした中に叙述トリックやミステリの仕掛けを使いながら社会派ドラマを斬りこむ。なかなかビターですね。

天使の棲む部屋 大倉崇裕

ある意味二作目だと、パターンが確立されて安心感があります。ありますが、このシリーズが意外な探偵のパターンだから二作目は出落ちのあと感が満載なんですよね。だからこの連作最初のアメリカでの話しで一作でよかった気がしますね。パターンを変えて、違…

探偵少女アリサの事件簿 東川篤哉

まあ、ミステリーとしてはなかなかやっぱり面白いですね。ただ、やっぱりこういうお手軽シリーズばかりになってるのがなあって感じてしまいます。久々に長編読みたいなあ。あるいは純喫茶一服堂の四季みたいな連作の中の仕掛けがある作品読みたいですね。下…

武士道ジェネレーション 誉田哲也

まさか出るとは思わなかった第四弾。シリーズとして前作で、綺麗に終わった感もあったのですが、でも今作もなかなか面白かった。二人を軸にしながら、剣道を通して恋愛、結婚、など人生を描いている。ただただ懐かしく面白く読めました。

交換殺人はいかが? 深木章子

六作からなる本格ミステリー連作集です。そこそこ作品としては短いですが、しかしその短い中で本格のガジェットとロジックによる解決それも密度の濃くて良かったです。丁寧でいい作品集でした。意外に時代が長く行ったりきたりするのでただ普通のミステリー…

あぶない叔父さん 麻耶雄嵩

事件自体はひねくれてはいなかったですが、事件に関わる中での構図がひねくれてますね。さすが麻耶雄嵩。なんというか、主人公の青春が歪んでる風に感じちゃうし、危うい青春ですし、一歩変えたら神様シリーズみたいな展開になりそうですし、叔父さんはなん…

赤い博物館 大山誠一郎

これは良かった。本格ミステリーとしては短編集なんで一作ごとは短いです。しかし短いながらに本格ミステリーの面白さが描かれている。さすがです。ミステリーとして、やっぱりベストは「復讐日記」ですね。事件をまずは日記で描き、そこから再捜査して事件…

海妖丸事件 岡田秀文

明治ミステリーの三作目ですが、良かったですね。 客船で起こる数々の事件っていう定番なんですが、明治という雰囲気を味わえるし、ミステリーとしては普通かなあって思えた。しかし、犯人の隠し方終盤にいたり評価は急上昇。ネタバレあり犯人が一度堂々と船…

惑星カロン 初野晴

ハルチカシリーズ第5弾。このシリーズは青春の甘酸っぱさと音楽に向かうものたちの熱さ、そして初野晴特有のロマンがうまく絡み合っていますね。今作も、短編四作ですが、どれもそういうことがおりこまれたいい作品たちでした。やっぱりベストは最後の表題作…