2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

あぶない叔父さん 麻耶雄嵩

事件自体はひねくれてはいなかったですが、事件に関わる中での構図がひねくれてますね。さすが麻耶雄嵩。なんというか、主人公の青春が歪んでる風に感じちゃうし、危うい青春ですし、一歩変えたら神様シリーズみたいな展開になりそうですし、叔父さんはなん…

赤い博物館 大山誠一郎

これは良かった。本格ミステリーとしては短編集なんで一作ごとは短いです。しかし短いながらに本格ミステリーの面白さが描かれている。さすがです。ミステリーとして、やっぱりベストは「復讐日記」ですね。事件をまずは日記で描き、そこから再捜査して事件…

浜中刑事の妄想と

小島正樹に期待する奇想なミステリーではなかったのですが、それでも面白かった。読みやすいし、引き込まれる。そして、倒叙ものにもかかわらずミステリーの驚きを提供してくれる。違った雰囲気の小島正樹がいた。そういう作品です。

海妖丸事件 岡田秀文

明治ミステリーの三作目ですが、良かったですね。 客船で起こる数々の事件っていう定番なんですが、明治という雰囲気を味わえるし、ミステリーとしては普通かなあって思えた。しかし、犯人の隠し方終盤にいたり評価は急上昇。ネタバレあり犯人が一度堂々と船…

回想のぬいぐるみ警部 西澤保彦

うまいなあ西澤保彦は。そんないわゆる今の西澤保彦ミステリーって言われたらこの作品を上げるかなと思える作品です。しつこくジェンダーも、精神の闇も触れずキャラたちの面白さと事件の展開、真相というシンプルであり事件に関わる部分の重さは西澤保彦ら…

惑星カロン 初野晴

ハルチカシリーズ第5弾。このシリーズは青春の甘酸っぱさと音楽に向かうものたちの熱さ、そして初野晴特有のロマンがうまく絡み合っていますね。今作も、短編四作ですが、どれもそういうことがおりこまれたいい作品たちでした。やっぱりベストは最後の表題作…